プラン紹介⑤【リビング】

プラン

はじめに

リビングは、家族が揃って長い時間を過ごす場です。家族全員にとって快適で、ずっといたくなるような空間にしたいですよね。また、子供が成長して中高生になっても、自分の部屋ではなく、リビングで過ごしたいと思わせたいものです。(笑)

そんなリビングを目指し、理想的なプランが決まるまでに、たくさんの変更を重ねました。最終的に細かな変更を含めれば、10以上のプランを考えていただきました。嫌な顔一つせず、毎回の打ち合わせに全力で臨んでいただいた営業の方と設計士の方には本当に感謝しています。この姿勢が住友林業で契約しようという一番の決め手となったと言って間違いありません。
この経緯は、「リビングプラン完成までの道のり」でご紹介する予定です。採用しなかったプランも役に立つかもしれませんので、ぜひご覧ください。

ここからは、我が家のリビングの平面図、鳥観図、内観パースを紹介しながら、悩んだこと、こだわったポイントを紹介します。これからリビングのプランを立てる方のご参考になれば幸いです。

悩みに悩んだ「リビング1階か2階か問題」


【平面図】

先にお伝えすると、悩みに悩んだ末に、我が家は2階リビングに決めました。プラン紹介①【玄関】でご紹介したように、玄関ホールが吹き抜けになっており、そこにある鉄骨階段を上るとトイレ、洗面室、そしてリビングとなっています。

2階リビングにするかは本当に悩みました。私たちと同じように、リビングを1階にするか、2階にするかに悩まれている方は多いのではないでしょうか。

周囲の環境、ウッドデッキやバルコニーの有無、洗濯物を干す場所などを踏まえた上で、それぞれのメリットとデメリットをよく比べて検討する必要があります。

2階リビングの5つのデメリット

当初は1階リビングにするつもりでした。以下のように、デメリットに感じる点が多いからです。

デメリット① 仕事から帰宅し、疲れた体で2階に上がるのは…。
仕事が終わり、電車に揺られ、ようやく帰宅。そこに立ちはだかるリビングへの階段。
休日に子供と外で思いきり遊び、疲れて帰宅。まだ階段を一人で上れないとなれば、抱っこをしてリビングへ。
正直、しんどいかもれません。

デメリット② 食料などを大量購入し、2階のパントリーに持っていくのが…。
我が家は、食材をまとめ買いすることが多いです。いつも両手、カバンは購入した商品でいっぱいになって帰宅します。この荷物を持って2階に行き、キッチン横のパントリーに運ぶのは、これまでエレベーターありのマンション暮らしをしていた私にとっては、正直、しんどいかもしれません。

 

デメリット③ 宅配業者が来たら、わざわざ1階に降りるのが…。
我が家は、楽天やAmazonをよく利用しています。特に楽天は、お買い物マラソンが始まる度に様々な商品を購入しています。ポイントを稼ぐために、まとめ買いではなく、ポイントアップとなる1店舗1000円以上の購入を意識しているため、商品は何回かに分かれて届きます。また、Amazonもprime会員になっているので、楽天よりもお買い得な場合に利用しています。2社合わせれば、かなりの頻度で通販をしているため、宅配業者の方が来る度に1階に降りて荷物を受け取るのは正直しんどいかもしれません。

デメリット④ 1階に人がいない時間が増えるのは防犯面が…。
家族がリビングで過ごす時間が多いほど、その間、1階に誰もいない時間が多くなります。泥棒にとっては、好条件です。また、1階に侵入されても、物音が2階まで届きにくいため、気付かない場合が考えられます。何も知らずに1階に降りたら、泥棒がいたなんてことを想像すると恐ろしいですよね…。防犯面が心配です。

デメリット⑤ 足腰が弱る老後にとって、毎日の階段の上り下りは…。
リビングが1階であれば、寝室や浴室も1階にすることで、生活のほとんどを1階で済ませることができます。老後は2階を使わずに、1階で生活するようにできます。足腰が弱る老後に毎日リビングに行くために2階へ、寝室に行くために1階へと階段を上り下りするのは、正直しんどいかもしれません。

実際に生活することで、デメリットに感じる点はさらにでてきそうです。
これらのデメリットがあり、これからさらに増える可能性があることも承知の上で、我が家は2階リビングにしました。その理由は5つです。

2階リビングを選んだ理由(2階リビングの5つのメリット)

メリット① 外から視線が気にならなくなる。
1つ目の理由は、我が家の周囲の環境にあります。住宅地の中にあり、南側の道路を挟めば八方を家で囲まれています。それらの住宅のほとんどが1階リビングのようでした。また、大きな窓を設けたい南側には、車や人の交通量が多い道路があります。そのため、1階リビングでは、窓を大きくすれば、周囲の家の方々や道路を歩いている方から見られることになり、窓を小さくすれば、暗くどんよりとした空間になってしまい、理想から遠ざかってしまいます。
そこで、2階リビングです。大きな窓も設置しても外からの視線をほとんど気にせず、また、明るく開放感のある空間にすることができます。最初に述べたように、家族がずっといたくなる空間をつくるためには、「明るい」、「外の状況を気にせずに過ごせる」は、外せない条件だと考えていたので、デメリットがあっても2階リビングにすることに決めました。

【内観パース①】

メリット② 建物の強度が上がり、柱なしの空間にできる。
2つ目の理由は、リビングを2階にすることで建物の強度が上がることによります。リビングは基本的に柱が少なく、広い空間にすることが多いです。1階リビングでは、その空間に2階の重みがのしかかりますが、2階リビングでは、1階リビングに比べ、空間にかかる重みを軽くすることができます。また、1階に、寝室や子供部屋、浴室、洗面所、ランドリールームを詰め込むことで、部屋の数が多くなり、その分、仕切り壁が増えることになります。2階を支える力が増えるため、建物全体の強度が上がることにつながります。(設計士さんから教えてもらいました。)結果として、我が家は、柱なしの約25畳の開放感あるリビングを設計していただくことができました。

【鳥観図】

メリット③ 天井を上げてより開放感のある空間にできる。
3つ目の理由は、2階の上には何もないことで、天井を上げられることです。(屋根の形状などにもよります)内観パース②をご覧になってください。掘り下げて見える天井までの高さが、実は、標準仕様の高さの2m40cmとなっています。そして、高くなっている部分の天井までの高さが2m60cmと20cm上げています。この20cmの差は、展示場などに行くと、受ける印象が大分違います。広さだけでなく、高さも出すことでより開放感のある空間にすることができます。また、ダイニングキッチンとリビングの境界線のような役割も果たしており、メリハリのある空間にもなると思います。
【内観パース②】

メリット④ 天井と軒天がつながったように演出できる。
2階リビングにすることで、天井と軒天がつながっているように演出することができます。軒天を大きく出し、その下にインナーバルコニーを設置すれば、リビングに併設した素敵なバルコニーが出来上がります。住友林業の軒天は特にかっこよく、展示場でも一際目を引きます。そんな軒天の下でコーヒーを飲む朝に憧れます。私たちも途中まではインナーバルコニーを設置する予定でしたが、間取りの自由度を優先し、最終的には採用しませんでした。しかし、今でも、インナーバルコニーには名残惜しいものがあります。プライバシーが守られた状態で外でリラックスしたい方で、2階リビングを採用する方は、検討する価値があります。インナーバルコニーを採用しなくても、室内の天井と窓の外に伸びる軒天がつながっているように見えるだけで一体感が生まれ、より広い空間に感じることができます。

  

メリット⑤ 水害があった際に2階でしばらく生活できる。
近年は地震や異常気象による水害が心配です。万が一家が浸水してしまうような状況になった場合、避難できるようになるまでは、食料などが2階にあるため、しばらく生活することができます。これをメリットにカウントするべきかは人それぞれ考え方は異なると思いますが、私の場合は、メリットと思っています。

以上、5つのメリットで2階リビングにすることに決めましたが、「それでもデメリットの方が強い気がする」と思われる方がいらっしゃると思います。デメリットをカバーできれば、気持ちよく2階リビングに決断できるはずです。次にデメリットをカバーする方法を考えてみました。

 

2階リビングの5つのデメリットをカバーする方法

デメリット① 仕事から帰宅し、疲れた体で2階に上がるのは…。

➡「1階リビングよりも1日の中で往復する回数を減らす間取りを考える。」

確かに疲れた体で2階に上がるのは辛いですが、1日トータルの1階・2階の往復回数が少なければ我慢できるかもしれません。
仮に1階リビングのお家を想定し、我が家と1日で1階・2階を往復する回数を比べてみます。

A宅【1階…リビング・洗面台・浴室 / 2階…寝室、クローゼット】
○起床(2階)➜洗面・朝食(1階)➜外出着に着替え(2階)➜整髪・化粧(1階)➜出勤
 朝の往復回数1、5回
○帰宅(1階)➜室内着に着替え(2階)➜夕食・入浴(1階)➜就寝(2階)
 夜の往復回数=1、5回
1日計3回

我が家【1階…寝室、洗面室、浴室、クローゼット / 2階…リビング】
○起床・洗面(1階)➜朝食(2階)➜外出着に着替え・整髪・化粧(1階)➜出勤
 朝の往復回数=1回
○帰宅・室内着に着替え(1階)➜夕食(2階)➜入浴・就寝(1階)
 夜の往復回数=1回
1日計2回

A宅は間取りによって回数を減らせると思います。また、我が家の生活の流れは、多少無理があるように感じるかもしれません。しかし、私の1日の生活をイメージすると、上記のようになり、1日の往復回数は少なくなります。こう考えれば、デメリット①はカバーできています。

 

デメリット② 食料などを大量購入し、2階のパントリーに持っていくのが…。

「1階の収納に保管。必要になったら2階に持っていく。」

このデメリットに打開策を見出すことができませんでした…。2階にキッチンがある以上、食材を運ぶ距離は1階にキッチンがある1階リビングよりも遠くなってしまいます。まとめ買いをし、荷物をまとめて2階に運ぶのは辛いので、玄関近くに収納を設けることで、そこに一時的に保管することが可能です。常温保存できるもので大量にストックしておくようなものは、1階の収納に保管しておき、2階に上がるついでに少しずつ持っていくようにしようと思っています。

 

デメリット③ 宅配業者が来たら、わざわざ1階に降りるのが…。

「宅配ボックスを設置する。」

宅配ボックスは多少費用がかかりますが、それ以上に活躍してくれること間違いなしです。特に通販をたくさんする我が家にとっては、なくてはならないものです。宅配ボックスに入れておいてもらい、1階に降りた時に取り出すようにします。宅配ボックスはサイズやデザイン、機能性も様々です。外構の打ち合わせは始まったら外構担当の方に伝えれば、パンフレットから選ばせてもらえます。

 

デメリット④ 1階に人がいない時間が増えるのは防犯面が…。

「高めの位置に窓、窓ガラスは防犯ガラス、センサーライト、防犯カメラ」

1階は寝室や子供部屋なので、リビングのように大きな窓を設ける必要はありません。採光基準があるのである程度のサイズの窓は設ける必要があります。我が家は、窓の位置を高めに設定し、人の手が届きにくいようにしました。さらに、防犯ガラスを採用し、侵入しづらくしました。他にもセンサーライトや防犯カメラを設置し、防犯面を怠らないようにしています。
ここでお気付きの方もいると思いますが、1階リビングは防犯性能が高いかというとそういうわけではありません。1階リビングは基本的に、大きな窓や庭・ウッドデッキとつながる掃き出し窓を設置することが多いです。窓が低い位置にあることで室内の様子を確認しやすく、侵入しやすくもあるため、2階リビングとは別の防犯上の心配があります。

 

デメリット⑤ 足腰が弱る老後にとって、毎日の階段の上り下りは…。

「階段昇降は足腰を鍛える良い運動だと思う!笑」

冗談を言ってしまいすみませんでした…。このデメリットも、しっかりとした打開策が見い出せませんでした。設計士さんからは、リフォームしてエレベーターをつけることも可能と言われましたが、さすがにエレベーターは大げさに感じてしまいます。このデメリットについて悩んでいた時、ある知人から「ローンを完済したら、その後、死ぬまで必ずその家で生活する必要はないんじゃないかな。高齢者が過ごしやすいマンションに引っ越すのも一つの選択肢だよ。」と言われました。子供に譲ったり、売却したりしてマンション暮らしを考えていいかもしれません。ただ数十年後、高齢者となった時の健康状態や身のまわりの状況がどうなっているかは分かりません。私たちは、「今、住みたい家」にしようと決心しました。

 

ここまでで、リビングについて特に悩んだことを紹介しました。

次に、こだわったポイントをご紹介していきます。

我が家のリビングのこだわりポイント

ポイント① 住友林業らしい木質感を生み出す無垢フローリング

約25畳のリビングのほとんど床を無垢フローリングにしました。無垢フローリングについては、住友林業の床材の紹介をご覧ください。いろいろ目移りしましたが、最終的には、第一印象で一番惹かれた「国産ナラ」にしました。

木の温もりを感じる雰囲気が素敵です。
床材を張る方向は、軒との一体感を出すため、窓に向かっていくように張り、軒の木目と揃えることにしました。

無垢フローリングは、水や油などの汚れに弱い材質のため、キッチン付近は、水に強くて割れにくい石材調の床材にしました。この床材は、木質床材を基材とし、そこに天然の石灰石を原料にした石質仕上げ材を融合させたものです。タイルや石材よりも冷たさを感じにくく、キッチンや洗面化粧台の床に使用されることが多いです。これで床を気にせずに料理することができます。

ポイント② 木質感をさらに高める木製リブ天井

内観パースでご覧になっていただいた掘り下げ風の天井部分(実際は標準仕様の2m40cm)は木目調のクロスではなく、木製リブ天井材を使用します。木質感にこだわる私たちは、木質感あふれる床と天井に挟まれたいという思いがありあます。(笑)展示場で見た時に一目惚れし、すぐに取り入れたいと設計士さんに伝えました。追加の費用がかかりますが、家族がずっといたくなるリビングづくりにかなり貢献してくれると期待し、採用することにしました。

ポイント③ リビングの横にありながら、別の空間に感じる和室

和室は狭くても、ちょこっとお茶を飲んだり、昼寝できたりする空間として欲しいと思っていました。よくリビングの一部が和室(フローリングと畳の高さが同じ)になっていたり、一部が畳の小上がりになっていたりする一体感のある間取りを目にしますが、私たちはリビングの横にあるけれど、「リビングとは別の空間」という印象にしたいという思いがありました。そこで、扉を設けず、入口一部を住友林業ならではの「格子スクリーン」を取り入れることで、完全に仕切るのではなく、透け感を出しつつ仕切られた、絶妙な別空間にすることができたと思います。
また、壁の下部に奥行きを出し、花瓶などを飾るスペースを設け、季節感を演出する予定です。
格子スクリーンを入れる前の内観パースしかなく申し訳ございません。入口に格子スクリーンが入ります。

  

ポイント④ リビングの横にありながら、別の空間に感じる書斎

本当は完全個室の書斎が欲しかったのですが、エアコンをどうするかやスペースの確保、動線等を考慮して、半個室風の書斎にしました。リビングが近いと、飲食しながら仕事をする私にとっては冷蔵庫が近くて便利ですし、子供にとっては、親が近くにいることで安心して学習に取り組むことができます。机は横幅を約150cmにし、二人並んで座ることができるようにもしました。ここで子供と一緒に読書をしたいと思っています。また、ルーター等のインターネット関係の機具やエアコンをこの奥まった所に設置することで、リビングをすっきりさせることにもつながりました。

ポイント⑤ Kitchenhouseのキッチンとダイニングテーブル

住友林業はKitchenhouseと提携しているため、他社よりも費用を抑えて高級キッチンで有名なKitchenhouseのキッチンを取り入れることができます。
キッチンのレイアウト、カラー、カップボードなどの選択は妻にほとんどを任せました。
プラン紹介【キッチン】で詳しく紹介する予定なので、ここでは簡単にご紹介します。

レイアウトは、
アイランド(キッチンが壁に面していない独立タイプ)
ペニンシュラ(キッチンの左右どちらかが、壁に面してるタイプ)
デュエ(シンクと加熱機器が分かれているタイプ)
から選ぶことができ、我が家は「デュエ」にしました。
作業スペースが広く、二人で作業がしやすいことが理由です。

カラーは、
ラーバグレイ&木目調のノッディナチュラル
を組み合わせました。
ここでも木質感を意識しましたが、くどくならないようにラーバグレイとノッディナチュラルにする部分の割合をよく考えました。

国産ナラの無垢フローリング、木製リブ天井とマッチするキッチンとなったと思います。

終わりに

我が家のリビングのプランができるまでに悩んだことやこだわったポイントをご紹介しました。

設計士さんや営業の方に無理を言って、何度もプランを練っていただいたおかげで、夫婦ともに納得のいくリビングとなりました。実際に生活が始まって、このリビングにして良かったと思う点や後悔している点がまとまったら、ご紹介いたします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。